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キャンディには
丘の上の王子さま
が、つきものである。
憑き物だと言ってもよい。
『キャンディ・キャンディ』といえば、主人公のキャンディが、
初恋の丘の上の王子さまを捜し求めて地球を4分の1周する
物語なのだから。
(しません)
ところが、意外にも、「丘の上の王子さま」の名が原作で初めて
出てくるのは、王子さま登場のしばらく後である。
最初は、王子さまとのみ呼ばれているにすぎない。
そのことからすると、「丘の上の王子さま」という呼称は、
元々の設定からあったものではないのかもしれない。
物語の途中で便宜上そう呼んでみたら、あまりにもしっくりしてしまった、
というところか。
ここで思い出すのは、『星の王子さま』である。
実は、サン=テグジュペリの原作のどこを読んでも、
「星の王子さま」などという呼び名は、一度も出てこない。
フランス語の原題は”Le Petit Prince”、
直訳すると『小さな王子さま』である。
私が持っているのは英語版であるが、タイトルでも本文でも、
主人公の少年はThe Little Princeと呼ばれているのみである。
「星の王子さま」は、日本の訳者の意訳らしいのだ。
けだし、名訳であろう。
話を元に戻して、
それでは、世界中に輸出された『キャンディ・キャンディ』であるが、
「丘の上の王子さま」は何と訳されているのだろうか。
英語版だと、やはりThe Prince on the Hillとなるのだろうか。
どうにも「丘の上の王子さま」のロマンティックな響きが失われている
ような気がしてならない。
何やら、IT長者のようではないか。
時には、意味よりも響きの方が大切である、という話である。
人気blogランキングへとはいえ、丘の上の王子さまの正体も、
実は似たようなものだったり。笑