試合に勝って勝負に負けた日

私が「冬、終わったなあ」と感じるのは、アレと邂逅した時である。

アレ。

私の敬愛する、あの方



に酷似した、

アレ。



今や、邂逅などという控えめな表現では説明しきれない、
死闘が繰り広げられている。

ある真夜中のことである。

風呂上がりの私は、いつものように台所にお菓子を漁りに来て、
アレに出会った。

私はアレが嫌いであるが、
アレぐらいで絹を引き裂く悲鳴を上げる乙女であったためしは、
一瞬たりともない。

殺虫剤を片手に、敢然と立ち向かった。

私の強力な一撃で、慌てふためくアレ。

ヌハハハハ！

ちょっと脂ぎってるからって、私に立ち向かおうなんざ
百億万年早いんだよ！！
（↑　どっちが悪者だか分からない）

私の嘲笑を背に、大恐慌に陥って逃げ惑うアレ。

壁にぶち当たって、慌てて方向転換するアレ。

ぶざまにも、あさっての方角を向いたアレは、一瞬で走り抜けた。

私の足の上を。


ッギャオーーーース！！！

不埒なアレを、ハエタタキで百叩きの刑に処した私が、
その後、２度目の風呂に入ったことは言うまでもない。


…しかし、アレの画像を入れただけで、パソコン自体が
汚れてしまったような気がしてならない。

恐るべし、アレ。

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