職業選択の自由あははん（憲法２２条１項）

近々ライバル店がオープンするため、こちらは戦々恐々である。
どういう意味でかというと、人事の人間としては、

こっちからあっちへ、従業員が流れるんじゃないの？

という意味である。

いやー。気持ち分かるよ、うん。こっち、給料も待遇も悪いもんね。
バイトや契約社員なら、移れるもんなら移ったほうがいいよ。
（愛社精神ゼロ）

「時給は、向こうの方がいいよねー」
「薬剤師なんか、２５００円だって」
「にっにせんごひゃくえん・・・・・！！」

一瞬、ビビりかけたが、よく考えてみると、

「でも、それ、決して高くはないかもなー」

と、思った次第である。なぜなら、

「私に家庭教師頼んだら、最低３０００円は取るもんなー」
「え！ウソ！？」

それから、一気に金の話で盛り上がった。

「この仕事やめて、プロの家庭教師になった方がいいんじゃ
ないですか！？」
「１日２件掛け持ちして、週５で働いたらいくらになる？」
「夏休みに荒稼ぎして、他でいっぱい休み取ってもいいよねー」
「自営だから、脱税し放題じゃないですか！？」

心が動いた、ちょっとは心が動いた、しかし、

「私、他人に勉強教える仕事はもうしたくないと思って転職したんですよ」

「じゃあ、自分で教えるんじゃなくて、教える人を使う立場になったら
いいんじゃないですか？」

「あー私が何とかスクールとかをー？」

妙に話が現実味を帯びたらしく、

「やってください！私、姐さんについていきます！」

「でも、スクールって、難しいところもありますよね。競合しますから、
他と差別化できないと」

差別化。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「じゃあ、うちは、メイド喫茶ならぬ メイド塾 にします。
講師は、ウサギ耳 もしくは ネコ耳 をつけてもらいます！」

「・・・・・・・・・・！！！！」

とりあえず、皆の転職計画は頓挫した。

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