ぷよぷよクイーン

今日は、系列他店で事件が起こり、
閉店後に手分けして全館を巡回することになった。

私は、受け持ちの２階から地下１階を見て回った。

仮に、私が不審者を発見したところで、

屁のツッパリにもならんがな。

と、思いながら。


などと、思わぬアクシデントに、このような小ネタをはさみながらも、
今日は、ぷよぷよクイーン、亀吉姐さんについて語ろうと思う。

あれは、何年前のことだったろう。

神戸発のフェリーに一人で乗った私は、暇を持て余していた。

本を読むのにも飽きて、船内をうろちょろしていると、
古い筐体ばかりのチャチなゲームコーナーを見つけた。

お～ぷよぷよ。なつかしい～～。

よーし、久しぶりにいっちょ揉んだろうかい。

と、握りしめた１００円玉で遊べるだけ遊んでいこうと、すわった。

久しぶりの上に、レバーは勝手が違うのだが、
５連鎖、６連鎖ぐらいはお手の物、
順調にステージクリアを続ける私。

隣で、「もう行くで」と急かす父親をよそに、
「もうちょっと見ていく！」と、ぐずる息子の声が聞こえる。

そうかそうか。そこまで言うなら、とことんまで

俺様の美技に酔いな！

と、思いながら、実は一番自分が酔っている私。

やがて、１００円玉１個で遊び倒した私は、満足して席を立ち、
踵を返した。

その瞬間、絶句した。

俺様の美技に酔っていたのは、隣の小坊主だけではなかった。

知らぬ間に、私を中心にした半円形の人だかりができており、
だしぬけに振り返った私に、ビビっていた。

だが、内心、私もかなりビビっていた。

半円形の小坊主たちに囲まれた私、ただ一人の大人。

何か…俺様…超ハズかしくね？

本当は走って逃げたかったが、何とか格好をつけて貫禄たっぷりに、
悠々と小坊主の輪をかき分けながら、立ち去ったのだった。

完

人気blogランキングへ